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繊研新聞の元旦号を読んで何を思ふ。これが短パン社長 奥ノ谷圭祐の仕事の流儀。

ピーアイでもない。フラムクリップでもない。もっと言ったらKeisuke okunoyaでもない。ブランドは「 短パン社長 」なんだ。と、改めて自身実感しました。

繊研新聞 元旦号

はい。やっと一昨日繊研新聞を手に取りました。昨日からお仕事の方も多く、何人かの人たちがSNSでこの繊研新聞を投稿してくれました。

そんな記念すべき元旦号を隅々まで見て、こんなそうそうたるメンバーの中で取り上げてもらえた事を嬉しく思うとともに、エラそうにこんな風に語ってるんだから(笑)まだまだやらなきゃいかんなぁと身が引き締まる想いでした。

購読数が減ってると言えども、中堅から大手アパレル、また創業10年以上の会社であれば、誰もが目にするこの業界紙。昨年は4回、一昨年は9回と、何度も掲載されているボクですが、ますます厳しくなるこの環境下の中で今年の1番目の記事になった事はちょっとした誇りです。< 詳しくはメディア掲載を見てね >

記事の全文をここに載せたいですが、さすがに書き写すのが大変だし、今回ばかりは記者の人にも頼みづらい(笑)と言っても、記事全文を載せてもどうせ見ない人が多いと思うので、ボクなりにここに書かれている内容をブログにまとめてみようと思ふ。

先日の展示会のこの写真が使われました。

洋服は1人の人の人生を変えられる。
※ 今日はお洋服ではなく、洋服と呼ばせてもらいます。

ボクは両親を通じて、その洋服の素晴らしさを知りました。学生の頃はサッカー馬鹿でジャージで過ごしてたボクに、修学旅行やオフの日に渡してくれた洋服。それが周囲の人からとっても評判が良く、ちょっとモテて、調子にも乗り(笑)ファッションっていいなって思ったのがキッカケ。 それからその仕事に就く事になり、数年後、自分に余裕もでき、せっかくだから仲良しな人たちもオシャレにしたいよなって思うようになり、いつの間に洋服屋( ユナイテッドアローズ )に連れて行き、勝手にコーディネートをしていました。

岡崎さんの息子さんの新卒スーツを選べたのもとっても良い思い出

そしてなにげに馬場さんも先日初の短パンツアーを体験

彼らもボクと同じ喜びを感じ、そしてボクにとっても感謝してくれた。仕事が上手くいくようになった。仕事の依頼が増えた。カッコいいって言われるようになった。モテるようになった。オシャレなんて無縁だと思ってたってね。

それからです。洋服のチカラってやっぱりスゴい。もっと他にも洋服で喜びを感じた事がない人がいるはずだ。であれば、自分で作ってみよう。

それから出来上がったのがご存知「 Keisuke okunoya 」というブランド。

懐かしいな。Keisuke okunoyaの最初の小冊子( 1回だけ作って終わったけど )

「 洋服なんて必要ない。ユニクロで十分。」って、本当にほとんどの人がそう思ってるのか?SNSを使って、たくさんの人たちと交流をして、ボクの事を知ってもらい、好きになってもらい、そして洋服の素晴らしさを知ってもらおう。そんな風に思って行動に移し始めた気がします。

取材の時に話したある1人の事例

その人の名は油田圭介さん。彼は当時( 昨年の5月頃 )めちゃめちゃ太ってた。にも関わらず、Keisuke okunoyaを購入してくれました。でもお会いした事がないので、XLサイズを購入したもののそこまで太っている事を知りませんでした。 で、初めて本人に会う機会があり( マックスブログ塾で )名前を聞いて驚くとともに( 同じケイスケなんでスグ気づいた。)反省したんです。ああ。絶対太ってる人には売っちゃいけないな。って。だって着れなきゃ意味ないじゃん。今度からはちゃんとサイズ感も聞くようにしないと。って。その事も彼にその場で伝えました。着てないなら返して!ってね。

だってこんなに太ってたんだもん

でも彼は言った。いや、このKeisuke okunoyaをモチベーションにダイエットを始めようと思ってるんです。って。

そう聞いても、正直「 どうせ口だけだろう。」って思ってました。その時はただボクに悪いからそう言ったんだろうなって。( ごめんね。) しかしそれから5ヶ月・・・。

彼は見事にダイエットに成功。しかもその減量36kg。デブどころかフルマッチョになっちゃいました。

今でも忘れない。この投稿を。

更にです。彼はその後個人ジムまで立ち上げた。自分が昔そうだったように、同じように太ってる人たちのダイエットのお手伝いをしたいって。健康になって、更にはオシャレを楽しんでほしいって。

いや、それにしてもマッチョすぎだから(笑)

そう。まさに1枚のシャツが彼の人生を変えたといっても過言ではない。ボクは改めて洋服の素晴らしさを彼から教えられたわけです。

2年半で1億3千万円。購入者の総数は1,500人以上。( お会いした事ない人は半分以上 )しかもそのアイテム数はたったの20アイテム。店もない。販売員もない。ましてやネットショップでもない。SNSだけで販売してるこのブランドは見事に成功を遂げたと言っても過言ではありません。 今後は洋服にとらわれず( 既にコーヒーや下着を販売してますが )ボクのライフスタイルの中で必要なモノ、好きなモノ、そしてみんなが喜んでくれるであろうモノを販売していきたいと思ってます。

TANPAN COFFEEの次はお米?!

洋服屋の現状

ええ。ここにも書かれていた通り、ハッキリ言って厳しいです。洋服屋どころか、前述した通り、業界全体がね。

昨年の10月号の日経ビジネスの衝撃的なタイトル

でもそんな中、売れてる店があるのはなぜだろう。 だって全部が売れてなかったら洋服屋なんてこの世に存在してないし、ボクたちのようなメーカーも必要がないわけです。そもそもみんなハダカで歩いてる事になる。原始人かよ。

売れている店はやるべきことをやっている。そして新しいことにもチャレンジしている。

やっぱりこれに尽きるわけです。

売れている店。お客さまととにかくコミュケーションを取っています。昔ながらの店で今も好調なのは、常にDMやらお手紙やら、メールやら、もっと言ったら電話など。 売り込みに感じられる事もあるのかもしれないけど、お客さまがその行為を喜び、店に足を運んでくれるのであれば、それは決して売り込みではない。

そしてボクたちのような世代は、そこから学び、良いことも悪いことも吸収しつつ、自分たちのものにしていくことが大切。いつも出してたDMをもっと伝わるものに。書き方を変えたり、看板やPOPを置いたり、そして更にはブログを書いたり、SNSで発信する。

まずはお店の近くに住んでる人たち。そして地域。そして遠方と。 SNSだけでつながってる人と商売するだけではダメ。まずは身近な人たちとのコミュニティを作る。それが大事になってくるわけです。SNSだけでいいやー。なんて言ってたらそれは本末転倒。もっと会社、お店の売上のπを見てみて。近くの人に愛されてこそのSNSです。近くの人に愛されてもないのに、SNSだけで人気が出る事はない。もしあったとしてもそれはきっと一時的なモノに過ぎません。

昔の販促をしつつ、新しいやり方も。 二世代、三世代で経営してるような会社、お店は、その事をしっかりと理解してもらえるような環境作り。つまり仲良くするということ。家族経営であれば、親や家族と( 後継経営者も同じく )、そして社員やスタッフと、そしていつも買ってくれてた、来てくれてたお客さまと。ここまでやって、やり続けてこそ、ようやく良い方向に向かっていく。え?前途多難?でもね。やらなきゃいけないんです。なぜならボクたちはこれからを生きていかなきゃいけないんだから。

いつまで親の悪口言ってんの?いつまで社員、スタッフのせいにしているの?いつまで環境のせいにしてるの?変わらなきゃいけないのはアナタ。アナタなのだよ。

「 卸事業は絶対に辞めない 」

繊研新聞 元旦号をもう1度

って、ここに書かれていますが、いや、やめちゃうことも選択肢の1つにはあるよ!ってこと。だってここまでやらないか?ってくらいボクはたくさんの洋服屋を見てきた。最後通告までセミナーでしたくらいだもん。 そう。結局、大半の、いや、100店舗あったら90店舗以上。10の会社があったら9社くらい。何もやらずに景気が良くなるのを待っている。何もやらずにお客さまがお店の扉を開けてくれるのを待っているんです。

メンズもレディースももう売っちゃうよ!SNSだけで売っちゃうよ!というのは、ボクの心の声。意地悪ではなく、それくらい洋服屋の人たちには口を酸っぱくして言ってきたつもり。

でもやめないよ!

数少ないかもしれないけど、やってる洋服屋がいる。ちゃんと行動してる人がいる。それをまだ信じているからこそです。ここでの「 辞めない 」という意はその事を踏まえた上で話した内容です。

変わらない事を大切に

父が社長だった頃からの仕入先である工場さんとは今でもお付き合いは続いています。もちろん潰れてしまったり、廃業したり、はたまた相手側からお断りされたりしたことはあります。そして新しい取引を始めたところも当然あります。

でも基本は同じ。価格帯もそう。そして絶対に良い素材、良い糸を使う。ここは全く変わってないし、ボクもそして社員の人たちもその考えは常に浸透しています。結果、それがお客さまに喜ばれ、ピーアイさんは本当に良い商品を作ってる。ピーアイさんのニットは10年以上着ているし、本当に長持ちする。という声が多数。

これって当たり前のように聞こえるかもしれないけど、どんどん環境が悪くなり、みんながこぞって価格帯を下げている現状の中、なかなかそういう会社は少ないのです。そんな中でもこの事を続けるのには勇気と覚悟、そして体力が必要だったと思います。

その結果、安売りをしない事が功を奏した。よりたくさんのお客さまに愛されるようなブランドに育ったわけだし、長続きしてる所以かと。

好きな服( ブランド )といえば、「 ユニクロ 」と言われる時代がくる。

どこへ行ってもユニクってありますよね

Q . 渋谷、新宿、銀座で100人に聞きました。アナタの好きなブランドは?

たとえばこんなアンケートがあったとします。10年後、いや、5年後、いや、3年後かもしれないなー。それに対し、100人中、90人が「 ユニクロ 」と答える時代がくるでしょう。いや、マジで。残念だけどそうなります。

これ、洋服に限らず、寿司屋やコーヒー屋、家電屋、家具屋、薬局、美容院だって、超大手がこぞって街に進出し、みんながそのお店で食べ、みんながそのお店でモノを買う。アナタの好きなお店は?はい。amazonです。ってね。

でも悲しむことなかれ。90人がそう答えたとしても、その残りの10人の内の1人がKeisuke okunoyaと答える事があるかもしれない。いや、そうなればいい。なれる努力をしよう。

そんなブランドに育てたいな。

そうなる為には? 周りとは違うこと。他がやっていないこと。それを誰よりも早く率先してやる。そして継続する。その価値をちゃんとお客さまに伝え、そしてお客さまから選ばれようになれば、ほとんどの人には何そのブランド?って言われても、SNSだけでつながって販売してるマニアックなブランドとして認知される事もあるかもしれないよ。なんであの無名なブランド、ずっと売れてるの?とか、なんであのお寿司屋いつも行列なの?ってね。

つながっている人は幸せにしたいですね

はい。その通り。ボクの考えに共感してくれる人。好きでいてくれる人。つながっている人たちの事を幸せにしたいです。 じゃあ。つながってない人はいいのかよ。って意見もありますが、ええ。それに対してもYesと答えるでしょう。( Yes!Curry Rice!とは答えませんよ!)

今回の繊研新聞のタイトル

ボクはボクにできることは限られています。そんなに何人も面倒を見ることができません。全部の小売店がウチと商売できるように。とか、全国民がKeisuke okunoyaを着るように。なんて思ってもないし、そんな事はムリ。

これまでも何度も書いてきたようにちゃんとやってる人たちと共に会社やお店を盛り上げていきたい。

傷の舐め合いはしない。ナントカ組合とかナントカの会合とかには参加もしないし属さない。

自分でコミュニティを作り、もしくは作られ、その中で行動していく事を主にします。一部では気持ち悪いと言われるコミュニティが、これからの時代に重要になっていく。その中にしかいれないのではない。その中に入ってる人たちがそれぞれ個性あって、様々なモノに目を向け、お互いが情報を取っていき発信する。それが作れない人はこれから厳しいかもしれません。ボクらのような中小企業や、それ以下の会社はね。

短パン社長 奥ノ谷圭祐の仕事の流儀

これを見て、ボクが何を考え、どう行動しているかを少しでも分かってくれたら嬉しいです。目の前のお客さまを死ぬほど楽しませたい。いつもホンキでそう思ってます。最初は7人から。それから10人。50人。100人。500人。1,000人と、その数が増えていきました。エクスマの藤村先生が言ってくれた事をただただ忠実に。とにかく行動して、それを継続した。繊研新聞元旦号は初心にかえるべく、そんな事を思い出せてくれました。

ええ。

いやいや。

ながーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

ブログながーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

間違いなく過去最長です。誰が読むんだよってくらいとにかく長いけど、ボクが今思うことをアツく書かせていただきました。

そして最後に、このような機会を与えてくれた繊研新聞の若狭さんにも感謝です。

今年も1日も欠かさずブログを書きます。そしてSNSでも毎日発信していきます。2017年も短パンブログをよろしくお願いします。

富士山をバックに photo by 馬場さん

短パン社長 奥ノ谷圭祐

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