ボクたちはお洋服を通じ、その先のお客様にステキや幸せを届けています。
7月31日。いつもこの日になると思い出す事があるので今年も書かせていただきますね。( もう3年、毎年同じことを書いてます。)
今日はボクの大切な人の52回目の誕生日。
その人から初めて頂いたメッセージを今でもとても覚えてるし、ずっと保存してあります。ボクはその頂いたメッセージからたくさんの気づきをもらいました。
いつも話してる事ですが、、、
ボクたちはアパレルメーカー。お客さまはお洋服屋さんになります。そんなお洋服屋さんに「 たくさん注文してもらえる商品を 」「 たくさん売れるお洋服を 」って、ボクたちが開催する展示会では、いつもそんな事を考え、仕事をしていました。( もちろんそれもとっても大切なことですけどね。)
6年前のある日のこと。
展示会で注文してくださった商品について、そのお店のオーナーさんから問い合わせがあったんです。
「 あのフリル付のカットソー、お願いだから1枚だけでも1週間位早く上げて欲しいんだけど 」って。
いやいや、そんなのムリだし。だって商品の納期もともと4月初旬だし。あ。でも取引したばっかりだしなぁ。これに応えればもっとウチの事信用してくれるかもなぁ。なんて思いつつ、ちょうどその商品を作ってる工場へ行く機会があったので、そこの工場長さんに「 初めてのお店からの要望なので、どうしても1枚だけ早く上げてほしいんです」と、必死にお願いしました。
結果、かなりムリを言って、要望通り1週間前に1枚だけその商品を作ってもらい、無事、そのお店に納品。
「 ふぅ。これで役目は果たせたな~ 」って、その時点でボクの仕事はある意味終わってました。
そうすると、しばらくしてボク宛てに1通のメールが届きました。
そのお店でその商品を購入したご本人からでした。
「 Jr.(ジュニア)さん、はじめまして。今回はムリを言って早く商品を作ってくれたことに本当に感謝しています。このカットソー、息子の卒業式にどうしても着ていきたい洋服だったので。おかげさまで息子にも喜んでもらえたし、周りにいたママ友達にもすごくステキと褒められました。
Jr.さんや、○○さん(オーナーの方)、そして工場の方、皆さんが協力して私一人の為に頑張ってくれたんですもんね。私は、このご恩を一生忘れません!」
と、、、ボクはこのメールをもらって、ハッと気づいたんです。「 絶対ムリだし 」とか「 初めての取引だから 」とか、そんな事を考えてた自分がすぐに恥ずかしくなりました。
ボクたちはただお洋服を作ってるだけじゃない。
ボクたちはただお店にお洋服を卸してるだけじゃない。
ボクたちはお洋服を通じ、その先のお客様にステキや幸せを届けているんだ。って。
当たり前のことかもしれない。でもこの事を忘れちゃいけないなって強く思ったんです。
可愛いお洋服をいっぱい作って、展示会でいっぱいお客さまを呼んで、たくさん注文をもらう。商品ができたらそれをお店に送る。( 売上が上がる。)会社としてはそれが良いことかもしれない。もちろん大切なことですからね。
でもそれだけじゃない。
その先には、そのお洋服買ってくれて、着てくれるお客さまがいる。ボクたちが作ったお洋服で幸せな気持ちになってくれる人がいる。
ボクはその人のたった1つのメールでたくさんの気づきをもらいました。
以来、その人とはそのお店でお会いする機会ができて、Facebookでお友達になり、気軽に連絡を取り合う仲になり、いつもブログを見てくれて、東京に来る時は必ず連絡をくれて、一緒にランチしたり、笑い合ったり、たまに怒られたり(笑)お客さまという枠を超える仲になりました。
でもね。
今、その人は天国にいらっしゃいます。だからもう会うことができない。
だからこそ彼女からもらったこのコトバを胸に、今も、そしてこの先も、たくさんのお客さまに幸せとステキをお届けします。
7月31日。
毎年、この日に思うのはそんなこと。
引き続き、がんばります。