世界中が憎しみに溢れてるからこそ、愛に満ち溢れたこの作品を。そんなことを気づかせてくれる映画「 ジョジョ・ラビット 」が最高すぎた件
なんだよ。マイティーソーの監督か。マーベル映画か。ああ。だからそのつながりでスカーレットヨハンソンなのか。ま。アカデミー賞作品賞ノミネートはやっぱり1クセも2クセもある映画だもんね。評価が高いからと言っても、だって10歳の男の子が主人公だよ。ナチスドイツだよ。ヒトラーだよ。ユダヤ人の女の子だよ。歴史を知らないと理解できない映画でしょ。アメリカ人が喜ぶブラックユーモア多めの映画でしょ。あまり期待せずに行こう。そうしよう。なんて思ったら・・・もうとんでもなかった。
( あ。でも第二次世界大戦の事くらいはちゃんと知っておいた方がいいです。時代背景とか、ドイツ、アメリカ、日本の関係とか。ちょうど中田のあっちゃんがYouTube大学で教えてくれてるから、それもある意味、日本人にとっては良いタイミングかもしれないね。)
ごめんなさい。タイカ・ワイティティ監督!猛省しています。
映画「 ジョジョ・ラビット 」
早くも今年ベスト。と言いたいくらい最高に素敵な映画でした。
大切な人と観たい。観てほしい。観れば良かった。戦争映画なのにそんな風に思わせる、思い出すだけで鳥肌が立つ良作。これはもう一回必ず観ます。絶対観ます!
この時期は良い映画が多いと毎年言ってはいたものの、ここまでの感覚になったのは初めてなんじゃないかな。もう順位なんてつけられないよ。だってそれぞれが良すぎるもん。最終的に映画の順位を決める時( 毎年最後にランキングを発表してるので )結局はその人の好みになる。でも今からこんなんだと怖い。だってさ。一番最近観た映画が心に残るに決まってるし。記憶は薄れる。
でもそうならない為にもこうしてブログやFilmarksに記録し、気になったら自分のブログを検索し、また記憶を呼び起こす。初めて観た時の感動にはもちろんなれないけど、それでもいいの。だからブログって最高なんだよね。だからボクのブログを読んで、誰かが観に行きたい!観に行こう!と思ってくれたら嬉しいのだ。
で、気を取り直して、あらすじから。
第2次世界大戦下のドイツに暮らす10歳のジョジョは、空想上の友だちであるアドルフの助けを借りながら、青少年集団「ヒトラーユーゲント」で、立派な兵士になるために奮闘する毎日を送っていた。しかし、訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョは、教官から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかいの対象となってしまう。母親とふたりで暮らすジョジョは、ある日家の片隅に隠された小さな部屋に誰かがいることに気づいてしまう。それは母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女だった。
予告編はこちらから
はー。思い出すだけで泣ける。心が温まる。気を取り直せない笑
でもこの予告CMを見て、え?これが感動するの?全世界が泣いたって、コメディ映画じゃないの?って思いましたよね。ボクもそう思ってました。でも観終わったらこの予告CMが全く違う印象になります。
なんだろ。この感覚。あのスリービルボードの時の衝撃と似てる。あれも一昨年の同じ時期。見た瞬間にオクデミー賞に決めちゃったもんね。笑( 結果、2018年の1位はボヘミアンラプソディになりました。)
その時のブログはこちら。いやー。感想がアツい。
話の内容は全く異なるけど、共通点は結構あります。あ。それはサムロックウェルが出てるって事じゃないよ。そのことは以下のネタバレで書きます。(たぶん)
そんな気になる「 ジョジョ・ラビット 」は、アカデミー賞作品賞と、助演女優賞にスカーレットヨハンソン。他、脚色賞、衣装デザイン賞、美術賞、編集賞にノミネートされています。注目はもちろん作品賞と助演女優賞ね。スカーレットヨハンソンは、Netflixオリジナル映画のマリッジストーリーで主演女優賞もノミネートされてる。初の快挙はあるのか?( 多分ダブル受賞はない )とにかく2月10日のアカデミー賞授賞式が今から楽しみで仕方がありません。
という事でジョジョラビットの感想いきます!!!!!
世界中が憎しみに溢れてるからこそ、愛に満ち溢れたこの作品を。そんなことを気づかせてくれる映画「 ジョジョ・ラビット 」が素晴らしすぎた件
第二次世界大戦のナチスドイツを、斬新、かつ分かりやすく、コメディタッチ( 皮肉混じり )に表現する一方、胸が苦しくなるくらい残酷な場面を織り交ぜ、時に可愛く、そして愛に満ち溢れまくった映画です。
ここからは若干のネタバレが含まれています。
※ 映画を鑑賞した人のみご覧ください。これから観ようと思ってる人は絶対に見ないでくださいね!
⬇︎
⬇︎
⬇︎
⬇︎
この映画は、ヒトラーを盲目に崇拝する10歳男の子、ジョジョの目から見た敗戦間近のドイツが舞台になっていて、冒頭からハイルヒトラー!を連呼するシーンがなんとも不謹慎で笑
それでも彼にとっては戦争で敵を倒すことが英雄。ヒトラーこそがヒーローなのだ。空想の友達がまさかのアドルフを名乗り、臆病なジョジョを叱咤激励し、最初は一番の理解者と思いきや、ジョジョの母、ロージーが自宅の裏部屋に匿っていたユダヤ人の女の子エルサに出会い、次第に彼の価値観や世界が変わっていく。そんなジョジョたち、10代の子供たちは、ユダヤ人はモンスターだと( ツノも生えて、蛇の舌を持ち、全身鱗が付いてるとまで )刷り込まれ、ナチズムの思想から外れてる書物は焼き払えなど指示され、徐々にJOJOの奇妙に( ジョジョと徐々、ややこしいな笑 )洗脳されていく。この映画では実際にあった出来事も多く、例えば、当時10代のヒトラーユーゲントというナチス党内の少年組織に入る事が義務付けられてたし、また、ジークハイル(勝利万歳)というチラシやビラ配りなども、ドイツでは実際に起きていたこと。そんな場面がところどころ映画にも散りばめられています。
ここまで見たら、こんな映画作っていいのかよ。炎上しちゃうんじゃないか。世間から非難浴びるんじゃないか。なんて思いがちだけど、そんな事ないよね。先ほども書いた通り、その映画がアカデミー賞作品賞にノミネートされてるばかりか、既にトロント国際映画祭の観客賞を受賞。また、ゴールデングローブ賞でも、作品賞と、主演男優賞( ジョジョ役のローマンくん)の主要2部門にノミネートされている。
その理由は観たら分かるから。だからボクもこうしてオススメしてるんだしね。
また、アカデミー賞の監督賞にノミネートこそされなかったけど、この映画のアドルフ役もやりながら、監督、製作、脚本と全てを担ったタイカ・ワイティティのメッセージの一部にこんな事が語られていました。
私は、本作のユーモアが、新しい世代の絆となってほしいと願います。
子供たちが耳をそばだて、学び、そして未来へ進むことを助けるために、第二次世界大戦の恐ろしさを繰り返し語る、新しく斬新な方法を見つけることが重要なのです。
いまこそ無知に終止符を打ち、愛で無知に取って代わりましょう!
そうだよな。無知って怖いよな。この映画は物心のついたボクら大人たちへのアツいメッセージでもあるんだなと思いました。
ジョジョは空想の友人アドルフと途中から意見が合わなくなります。それはもちろんロージーやエルサの影響が強いんだけど、ウサギを殺す事は果たして良いことなのか?(殺せなかった事でジョジョラビットと不名誉なあだ名が付けられた)ユダヤ人って本当に悪魔なのか?と、世間で当然のように言われてる事を「これって正しいのかな?」と、自分で学ぼう(成長)とするようになります。親友のヨーキーも「 ユダヤ人と僕らは何が違うの?見ただけじゃ分からない。ボクらと同じ人間じゃん 」って言ってたもんね。
純朴なジョジョのその行動や考え方に、ある程度社会経験をつみ、ひねくれた心を持ってしまったボクたちは笑 こういう気持ちを忘れちゃいけないなと、きっと思うはず。
憎しみは勝ちはしない。愛は最強の力よ。とは、母のロージー。
それに対して、何言ってんだよ。ママ。世界で一番強いのはミサイル。次がダイナマイトで、その次が筋肉。ってところもクスッと笑えた。
なかなかヒトラー愛が消えないジョジョに、常に世界は今どんな事になってるのか、現実を正しく伝えようとして、大きな愛と包容力でジョジョを守る姿が忘れられない。ロージー(スカヨハ)がジョジョの靴ヒモ結ぶところは、あのマリッジストーリーをも彷彿させる。戦争中もオシャレを楽しみ、ダンスを踊り、平和を願い、強く美しい母親を演じる。マジ泣けます。
「 あなたはナチスなんかじゃない。おかしな軍服を着た10歳のただの男の子よ。みんなの仲間でいたいだけ。」とは、ユダヤ人のエルサ。彼女もまた、強気でクールで、そしてちょっぴりユーモアで、ユダヤ人という逆境に耐えながらジョジョとの関係を築いていく。トーマシンマッケンジーちゃん。すごい可愛かったな。
裏の部屋に隠れる彼女を見て、アンネフランクを思い出した人も少なくないはず。
そしてヒトラーに絶対的に忠誠を誓ってると思いきや、アウトローでやさぐれた感の強いクレンツェンドルフ大尉役を演じたサムロックウェルもまた良い味出してます。いや、出しすぎたかもしれません。リチャードジュエルでも好演技をしていたサムロクパイセンをこの映画でますます好きになりました。
そうそう。そんなジョジョを演じたローマン・グリフィン・デイヴィスくんは、なんとこの映画が初出演の初主役というからビックリ。長きに渡ったオーディションも彼が現れて、一瞬で決まったとも言われています。そんなローマンくんのホンモノの父親は、あのスリービルボードでカメラ監督をしているそうです。映画一家なんだね。納得。
と、話を元に戻すと、って、もうどこに戻ったらいいかわかないけど笑
ジョジョが正しいと信じていたものを変えたのは、決して空想の世界、空想の人ではなく、目の前にある世界、そして目の前にいる人だった。
そして靴紐も結べなかった10歳の少年が誰かの靴紐が結べるようになるまでの成長の物語でもあるんだよな。デビッドボウイの曲がうっすら聴こえてくるだけで、いや、もう流れる前にエルサの顔出ただけで涙が流れる。
陳腐な言葉では片付けたくないんだけど、映画のポスターにも「 愛は最強 」と書かれている通り、この映画のテーマはとにかく愛。母から子供への愛。そしてジョジョからエルサへの愛。大尉からジョジョへの愛。そして大尉と部下フィンケルへの愛笑 そして何より、監督から、ボクたち鑑賞者へ向けての愛。そんな愛情を強く感じられる映画なのです。
脚色賞、衣装デザイン賞、美術賞にノミネートされてるだけあって、ファッションはもちろん街並みもステキです。戦争映画ってどこかどんよりしてる映像が多いのに、この映画は家もインテリアもポップでとってもオシャレ。また音楽もビートルズやデヴィットボウイが流れテンション上がります。
あ。最後にも1つだけ。
ゲシュタポ( 秘密警察 )がジョジョの家宅捜査に入り、エルサが身分証の誕生日を間違えて言ってしまう場面がありますよね。明らかにそれに気づいたクレンツェンドルフ大尉( キャプテンK )はなぜあそこで彼女を見逃したのか。そこにもとてつもなく大きな愛があったんじゃないかって勝手に推測しています。
ごめんなさい。なんかK奮してまとまらない文章になっちゃったので、もう1度観てから、構成を考え直して、修正、追記をしたいと思います。正直まだまだ書きたい事あるし笑
とにかく、笑いあり、涙ありの本当に素晴らしい映画だったので、是非劇場で。( kisobarstalkがあったらみんなで観に行きたかったな )
って、ここまで見ちゃった人はネタバレしちゃってるじゃんね!笑
いやー。映画って本当に最高ですね。最近靴ヒモついたシューズ履いてないからなんか新しいの買おっかな。