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映画「 セッション 」は、きっとこの先も語り継がれるであろう作品の1つ。

この映画の事を書かずに、ボクは果たして何の映画のブログを書くのだろうか。

映画「 セッション 」

映画「 セッション 」

それくらいボクにとって衝撃の映画でした。

あ。こんにちは。

勝手に映画評論家。オクノヤケイスケです。

ご存知の通り?死ぬほど映画が好きなボク。過去にも色々と映画の事を書いてます。前回は「 バードマン 」についてだったかな。

< 誰もが批評家になれる時代。映画バードマンを観て何を思ふ。>

ええ。とにかく素晴らしいと思う映画は、ブログに書きたくなっちゃう。ボクを通じて、ボクの事好きと思ってくれてる人には、その映画を観に行ってほしいし、好きになってほしい。という想いがある。でも映画のブログの時だけは、書いては書き直し、見直しては書き足し、思い出し、また書き直しの繰り返しになるので、毎回5時間くらいかかります(笑)
もう書いた後は何もする気が起きなくなるし、完全燃焼。だから映画の事を書く時は、ある程度の勇気と覚悟が必要です。って、、、ボクの映画に対する意気込みの部分はどうでも良かったですね。(笑)

それなのに書きたい。書きたくてたまらない。

「 セッション 」は、ボクの映画史上最も鳥肌のたった映画だった。

ますはあらすじから。

名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと決意するアンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャー(J・K・シモンズ)だった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、その指導に必死に食らい付いていくアンドリュー・ニーマン( 以下、ニーマン )。だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。 シネマトゥデイより

もうさ。観た方は分かると思うけど、鬼教師役のJ・Kシモンズのハマり役ったらないです。過去に名脇役と知られてた彼が、齢60にして、一気に主役の座に上り詰めた。それくらい彼の演技は鬼気迫るものがあり、思い出すだけで鳥肌もんです。アカデミー助演男優賞を見事受賞したのも誰もが納得って感じ。

え?

まだ見てないの?

じゃあ、まずはこれを見て。

映画「 セッション 」の予告編

ね?

これ見ただけで、映画館に行きたくなるでしょう。

っていうか、ボクももうまた行きたくなってるもん(笑)

なんかJAZZ好きな人に言わせると、映画の中で流れる音楽がどうとか、選曲がどうとか言われてるらしいけど、そんな事はボクにはカンケーない。素晴らしい演奏が聴きたいのなら、コンサートに行けばいいワケだし、これは別に音楽映画ではなく、あくまでも人間ドラマの映画。とはいえ、音楽にあまり詳しくないボクでも、ドラムスを始めとする楽器の演奏シーンと、その描写の映像、音のド迫力はなんとも忘れがたい。とにかく観ようと思ってる人は間違いなく映画館で観に行ってほしい。いや、それじゃなきゃダメ。

以下、【 ネタバレあり 】なので、見たくない人は見ないでね。

( でも見ても十分楽しめますよ♡ )

「 天才 」ニーマンと、「 天才を見出す漢 」フレッチャー。

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フレッチャーは常に完璧な演奏を求め、学生たちに対して暴言暴力何でもアリの教授。「 天才は叩いても叩いても絶対にへこたれない 」という信念のもと、学生を徹底的に叩きのめし、精神的にも肉体的にも追い詰めていく。過去に自殺に追いやったくらいの生徒もいるほどで、その暴君っぷりはマジでハンパない。

そんな最年少で大学1年生のニーマンは、あるキッカケでフレッチャーに価値を見出され、彼の教室に呼ばれる。予告編を見ての通り、のっけから罵られ、暴力を振るわれ、思わず涙を流すシーンも。それでもドラマーの夢は捨てず、当時付き合ってた彼女にも別れを告げ、ひたすら練習、練習、練習と。そんな日々に明け暮れる・・・。

Good job ( 上出来だ )は、一番危険なコトバ。

あるシーンでフレッチャーはニーマンにこんな事を言います。

『 チャーリーパーカー( 実在する人物で伝説のJAZZ奏者 )は、あるステージで教師( 名前忘れた )にシンバルを投げられ、観客から笑い者にされてステージを降りた。当然、その夜彼は悔しくて枕を濡らしたかもしれないが、翌朝には何をしたか? とにかく彼は練習に没頭した。そして彼は1年後に再びステージに立ち、最高のソロ演奏をし、スターへの階段を上がっていった。
しかしその時、もしその教師がチャーリーに「 良くなったぞ 」「 頑張ったな 」と声を掛けていたら?彼はそれに甘んじてしまってたかもしれない。物語はその時点で終わり、チャーリーパーカーも生まれないし、JAZZも死んでいただろう。』 

と、確かそんな感じだったと思う。

よくできたね〜。スゴいね〜。で、人は満足してしまい、それ以上上には上げれない。やはりプロのレベルはこういうモノなのかもしれないなって。

全然話は関係ないかもしれないけど、随分前の話。ボクが社会人リーグのサッカーをしてた時、試合を終えみんなで談笑してたら、隣のグラウンドで衝撃の光景を目にしました。試合を終えたばかりの小学生たちがグランドに円に座り、監督やコーチとミーティングをしてました。もちろんここまでは良いとして・・・。その間、グラウンドを整備してたのは、まさかのヒールを履いたお母さんたち!レーキを持って、グラウンドを整備してるんです。( ※レーキって分かりますよね?熊手みたいな土を耕す道具です。)

きっと、そのお母さんたちは「 息子は試合で疲れてるから!」って、そんな風に監督やコーチに伝え、グラウンド整備をしてるんだろうなぁって。これを見た時に、おいおい。日本大丈夫か?って、大げさじゃなくて(笑)ホンキでそう感じた事を思い出しました。

って、いきなり何を言うのかって思ったかもしれないけど、芸術の世界、スポーツの世界も、本当にプロになるには技術だけではなく、基本的な事も学ばないといけない。もっともっと厳しさも知る事も必要。そんな事を思ったんです。( 映画の中でもフレッチャーがニーマンの親の事をバカにするシーンが結構あったし、この映画ではニーマンのお父さん( 元日本代表のザッケローニ監督似 )がキーパーソンだと思ってます。)

フレッチャーがニーマンを教室に初めて呼ぶ時「 明朝6時に教室に来い 」って言います。で、そんな大事な日なのに、前日彼女とデートしてちょっと浮かれて、まさかの寝坊。めちゃめちゃ急いで6時を10分過ぎくらいで教室に着いたものの誰もいない。結果、実際の練習は9時からでフレッチャーにはウソの時間を教えられたわけです。って、マジでいきなり「 そんな言い方(ウソ)ないじゃん。」って思ったけど、まだまだこんなの序章に過ぎなかった・・・。

まぁ。フレッチャー教授はクレイジーすぎるし、教育者としてはありえない。ハッキリ言って悪魔です(笑)だって、交通事故に遭って会場に血まみれで駆けつけて演奏するニーマンにも、冷酷に切り捨ててしまうワケですからね・・・。

ただ、決してフレッチャーが全部間違ってる。とは言えない。こういう考えもあるな。とはボクの私見。

狂ったように厳しくて、精神的に追い詰めてくるけれど、ニーマンは確実に上達したし、結果、きっと最後は・・・・・・。

ちなみにこの映画の監督デイミアン・チャゼルは撮影当時は若干28歳。この映画は彼の実体験をもとに作られたようです。アカデミー賞をノミネート作品にも関わらず、日本で上映館数が少ないのは、体罰問題とか、ちょっと他にもここで書けないような事が色々とあっての事。この辺も今の日本を物語ってるのかなぁ。。。とまで感じてしまいました。

天才は死ぬほど努力をしている。

もちろん生まれながらの天性。みたいなものはあったとしても、それでもやっぱり見えないところで努力をしている。

天才が開花する時、それは数多くの条件が揃わなければならない。最初から才能のある人がいるだけではダメ。それを守る人、その他もろもろが必要で、あとは完全に運。そしてその全てが揃った時に、初めて生み出される常人には全く理解しがたい世界。「 何かが降りてきた。」「 神からのお告げがあった。」って、感じる時ってもしかしたらそういう事かもしれない。

とにかく。とにかく・・・。

予告編にもあるように、最後の約10分弱の時間は、まさに「 手に汗握る。」「 息を飲む。」といったコトバが最もふさわしい。ニーマンの本番中に覚醒したドラム演奏。そしてそれを見たフレッチャーのあの表情。どれを取っても必見。ラストの演奏に全てが凝縮されてます。

何もかもが名演。名作。後に考えさせられる映画。見終わった後の独特の緊張感。映画を見てたとは思えないK奮度合い。それくらいボクにとってはシビレる映画でした。

きっとこれから先も語り継がれる映画だろうな。

以上。

いや〜。最近は本当に素晴らしい映画が多い。だってボクがこんだけブログに取り上げてるんだもん(笑)

前回書いたバードマンも、このセッションも、舞台はニューヨーク。あ。アニーもそうだったね。めっちゃ行きたくなるし、なんだか映画を作りたくなります。

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あれ?舞台が変わった?

とにかく映画って本当に面白い。これだからやめられない。この世に映画というものが存在してくれた事にシアワセを感じます。

あ。それとね。映画は賛否両論当たり前。( 特にこういった作品は )
誰かの感想や批評だけで映画を語るのはナンセンス。まずは自分の目で観て、感想を述べてもらいたい。そう思うな。

もしこの連休に観てみたい!と思った方は是非。何度も言いますが、めちゃめちゃオススメです。

それでは。今日はこの辺で。皆さん、引き続きステキなお休みを。

さよなら。さよなら。さよなら。

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